2025/6/10
暑い季節に急増!尿路結石にご注意ください
いわさ泌尿器科クリニックです。
2025年も早くも折り返しを迎え、再び猛暑がやってくる季節となりました。
暑さで体内の水分が失われやすいこの時期は、
尿路結石の発症率が他の季節の約2倍に上がるともいわれています。
激しい痛みをともなうことが多い尿路結石ですが、
生活習慣の見直しや適切な対策により、予防することが可能です。
本日は、これからの季節に特に注意が必要な尿路結石について、原因と予防法をご紹介いたします。

~尿路結石とは~
尿路結石とは、腎臓から尿道にいたる尿路(尿の通り道)に「石」ができることで、尿の流れを妨げたり、強い痛みを引き起こす病気です。
この「石」は、尿中に含まれるカルシウム、シュウ酸、尿酸などの成分が結晶化し、固まって形成されたものです。症状は、結石が存在する場所によって異なります。
たとえば、腎臓や膀胱に結石があり、尿の流れを妨げていない場合には、ほとんど痛みを感じないこともあります。一方で、尿管に結石が詰まり、尿の流れがせき止められると、腰やわき腹に突然激しい痛みが生じることがあります。これが尿路結石の代表的な症状です。
そのほかにも、血尿が出る、尿が出にくくなるといった症状が現れる場合もあります。

~夏に急増する理由~
夏場は汗をかくことで体内の水分が失われやすく、脱水状態になりがちです。
この状態になると、尿の中に含まれるカルシウムやシュウ酸などの結石のもとが濃縮され(=尿が濃くなり)、結晶ができやすくなります。
結石が小さいうちに尿とともに排出されれば問題はありませんが、体内に長くとどまって大きくなると、自然に排出するのが困難になり、痛みの原因となります。
そのため、尿が濃くなる状態を避けることが重要になります。
~尿路結石の予防ポイント~
- 水分をしっかり摂る
1日あたり1.5〜2リットルを目安に、意識して水分を摂りましょう。結石は一度できると再発しやすいため、過去に尿路結石を経験した方は2リットル以上の摂取が望ましいとされています。
飲み物は水や麦茶が理想的です。コーヒーや緑茶にはシュウ酸が多く含まれるため、水分補給には向いていません。 - バランスの取れた食事を心がける
動物性たんぱく質・塩分・脂肪を摂りすぎると、尿中のシュウ酸や尿酸の濃度が上がり、結石ができやすくなります。野菜・果物・穀物などをバランスよく取り入れることが大切です。
- アルコールの摂取量に注意する
アルコール飲料には尿酸のもととなるプリン体が多く含まれているため、摂りすぎには注意が必要です。
また、過度な飲酒は腎機能を低下させ、尿中の尿酸値を上昇させる要因にもなります。
1日の目安としては、ビールなら500ミリリットル、日本酒なら1合程度にとどめるのが理想的です。 - カルシウムを取る
尿中ではカルシウムはシュウ酸とが結合してシュウ酸カルシウム結石になりますが、腸内では、カルシウムはシュウ酸と結合することで、便として排出されやすくなります。
そのため、食事では、コーヒーやほうれん草などシュウ酸を多く含む食品を摂る際には、ジャコや乳製品などのカルシウムを含む食品を一緒に摂ることが推奨されます。
≪ こんな時はすぐに受診を ≫
- 突然、腰やわき腹に強い痛みを感じたとき
- 血尿が出たとき(目に見える血の混じった尿、または健康診断で指摘された場合)
- 尿が出にくい、または排尿時に違和感があるとき
- 発熱や悪寒を伴う場合(感染症の併発が疑われます)
尿路結石は、自然に排出されることもありますが、位置や大きさによっては治療が必要となる場合があります。
痛み止めだけで済ませたり、放置してしまうと腎機能に悪影響を及ぼす可能性があるため、自己判断せずに、泌尿器科専門医にご相談ください。
~おわりに~
暑い季節は、知らず知らずのうちに水分不足や生活習慣の乱れが起こりやすく、尿路結石のリスクが高まります。
しかし、日々のちょっとした心がけで、発症や再発のリスクを大きく下げることができます。
少しでも気になる症状があるかたや、過去に尿路結石をご経験されたかたは、お気軽に当院までご相談ください。
この夏を健康に乗り切るためにも、正しい知識と対策で、大切な体をしっかり守りっていきましょう。
いわさ泌尿器科クリニック には、越谷・春日部・さいたま市などから来院されます
※病気の症状等に関しては、下記のページをご確認ください。