2025/8/26
前立腺がんの初期症状5選
いわさ泌尿器科クリニックです。
前立腺がんは、日本人男性で年々増加しているがんのひとつです。
ごく初期の段階では、がんの大きさが小さく、細胞の量も少ないため、自覚できる症状はほとんどありません。しかし、がんが大きくなり前立腺が膨大してくると、尿の通り道を圧迫したり、出血を引き起こしたり、さらには周囲の臓器に影響を及ぼして機能障害を起こすことがあります。
つまり「本当の初期の初期」には症状は出にくいものの、早期から注意すべきサインはいくつか存在します。ここでは代表的な5つの症状を取り上げて解説いたします。

~代表的な5つの症状について~
前立腺がんは進行に伴って少しずつ体のサインが現れます。
特に「排尿に関する違和感」は、最初に気づくことのできる重要なサインです。
加齢に伴うものや前立腺肥大症など他の病気でも同様の症状が出ますが、がんの早期発見につながる手がかりになる場合があります。前立腺がんの発見の手がかりとなる代表的な5つの症状をまとめます。
- 頻尿
前立腺がんが大きくなり膀胱や尿道を圧迫すると、膀胱が刺激され過敏になります。その結果、尿意を頻繁に感じるようになり、昼夜を問わず頻尿として症状が現れることがあります。
- 血尿
私たちの身体には「血管新生」という新しく血管を作る機能が存在します。がんは新しい血管をつくり栄養を吸収して大きくなります。しかし、この新しく作られた血管がもろく壊れやすく、がんが進行とともに大きくなると、膀胱の収縮などわずかな刺激で破れて出血することがあります。その結果、尿に血が混じる「>血尿」として症状が現れることがあります。
- 尿勢不良(尿の勢いが弱くなる)
がんがさらに大きくなって尿道を圧迫すると、排尿時の勢いが弱くなったり、尿が途切れ途切れになることがあります。前立腺肥大症と似た症状のため区別が必要ですが、進行した前立腺がんでも同様の症状が出ることがあります。
- 下腹部の痛み
膀胱は腹膜とつながっています。がんがさらに進行し、腹膜に及ぶと下腹部に痛みを感じることがあります。これは比較的進行した段階でみられる症状です。
- 腰の痛み
前立腺がんは骨に転移しやすい特徴があり、骨盤や腰椎に転移すると腰痛として症状が現れることがあります。これも進行期に見られるサインのひとつです。
~早期発見のために~
前立腺がんは早期には症状がほとんど出ないため、50歳を過ぎたら定期的にPSA検査を受けることが早期発見と治癒につながる最も有効な方法とされています。治療法には、手術、放射線療法、薬物療法、監視療法などがあり、病状や進行度に合わせて適切な治療を選択することが重要です。
上述のような症状が続く、または悪化する場合には、自己判断せずに早めに泌尿器科を受診することをおすすめします。
~おわりに~
前立腺がんは日本人男性で最も多いがんのひとつとされています。初期には自覚症状が乏しいものの、進行すると頻尿や尿勢不良、血尿、さらには下腹部痛や腰痛といった症状が現れてきます。
前立腺がんは、早期発見・早期治療によって十分に対応可能ながんです。気になる症状がある場合は、放置せずに必ず泌尿器科を受診してください。
※病気の症状等に関しては、下記のページをご確認ください。