2026/1/9
お酒を飲むとトイレが近くなるのはなぜ?
いわさ泌尿器科クリニックです。
新年会や仕事始め後の集まりなどでお酒を飲むと、「さっきトイレに行ったばかりなのに、また行きたくなる」「飲んでいる最中、何度も席を立つことになる」と感じた経験はありませんでしょうか。
実は、これはお酒の飲みすぎや気のせいではなく、アルコールが体に及ぼす作用による自然な反応になります。
本記事では、なぜお酒を飲むとトイレが近くなるのか、その仕組みと注意点を、泌尿器科の視点から解説いたします。

お酒を飲むとトイレが近くなる理由
お酒を飲むとトイレが近くなるのには、主に以下の2つの理由があります。
- 尿の量そのものが増えること
- 膀胱が刺激され、尿意を感じやすくなること
これらが重なることで、「何度もトイレに行きたくなる」状態が起こります。
アルコールは尿を増やす作用がある
私たちの体には、尿の量を調整する「抗利尿ホルモン(ADH)」というホルモンがあります。このホルモンは、体内の水分を必要以上に尿として出さないよう調整する働きをしています。
ところが、アルコールを摂取すると、この抗利尿ホルモンの分泌が抑えられます。その結果、腎臓で水分の再吸収が十分に行われず、体内の水分がそのまま尿として排出されやすくなります。
つまり、お酒を飲むと「体の中の水分をためておけず、どんどん尿として出てしまう」という状態になります。
膀胱が刺激され、尿意を感じやすくなる
アルコールには、膀胱を直接刺激する作用もあります。そのため、尿がそれほどたまっていなくても、「行きたい」「我慢しにくい」と感じやすくなります。
特に、もともと頻尿傾向がある方や、前立腺肥大症、過活動膀胱などをお持ちの方では、飲酒によって症状がはっきりと表に出やすくなります。
お酒の種類によってトイレの近さは変わる?
「ビールを飲むと特にトイレが近くなる」と感じる方は多いと思います。これは気のせいではなく、必然的な症状になります。
ビールは、
- 水分量が多い
- 炭酸による刺激がある
といった理由から、尿意を感じやすくなりやすい飲料になります。
一方、日本酒や焼酎、ワインなども、アルコール量や飲むスピードによっては同様に頻尿を招きます。「度数が高いお酒なら大丈夫」というわけではありません。
なぜ夜間や帰宅後もトイレが近くなるのか
飲み会の後、帰宅してからや夜中にトイレで何度も起きた、という経験があるかたも多いのではないでしょうか。実は、これも飲酒による影響になります。
アルコールによって体内の水分バランスが崩れ、さらに横になることで腎臓への血流が増えると、就寝後も尿が作られやすくなります。その結果、夜間頻尿につながることがあります。
お酒で頻尿が強く出る人は注意が必要
たまにお酒を飲んだときだけトイレが近くなる程度であれば、大きな問題はないことがほとんどです。しかし、以下のような症状がある場合は注意が必要です。
- 飲酒後、尿が出にくくなる
- 残尿感が強い
- 夜中に何度も目が覚める
- 尿漏れを起こすことがある
今日から実践可能な頻尿対策
飲酒時の頻尿を完全に防ぐことは難しいですが、次のような工夫で負担を減らすことができます。
- 空腹でお酒を飲まない
- ゆっくり飲む
- 冷たい飲み物は少なめに
- 就寝直前の飲酒を避ける
特に新年会シーズンは、生活リズムが乱れやすいため、意識して体を労わることが大切です。
おわりに
「年だから仕方ない」「お酒を飲んだときだけだから大丈夫」と思っていても、腎臓や膀胱に問題がある場合は、実は治療で楽になるケースも少なくありません。
頻尿や排尿トラブルが気になる方は、年末年始を迎える前に、一度泌尿器科で相談してみることをおすすめします。
※病気の症状等に関しては、下記のページをご確認ください。
