2023/10/19

症状の現れない病気 〜慢性腎臓病〜 |泌尿器科(越谷・春日部)

■□初期の段階ではほとんど症状がない!□■

慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease, CKD)は、腎臓の機能が長期間に

わたって損傷し、進行的な腎臓の機能障害を引き起こす疾患です。

この病気は進行がゆっくりと進むことが多く、初期段階では症状が

ほとんど現れません。しかし、時間が経つにつれて、腎臓の機能が

低下し、合併症が発生する可能性があります。

 

◆慢性腎臓病の原因は?

その原因は多岐にわたり、個人によって異なることがあります。

一般的な原因として以下の要因が挙げられます。

 

  1. 高血圧(高血圧性腎病): 高血圧はCKDの主要な原因の一つです。長期間にわたり未治療または不適切に管理された高血圧が腎臓に損傷を与えることがあります。
  2. 糖尿病(糖尿病性腎病): 糖尿病もCKDの主要な原因の一つで、高血糖が腎臓に損傷を引き起こす可能性があります。
  3. 特定の薬物: 特定の薬物、特に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、一部の抗生物質、腎毒性のある薬物などは、腎臓に害を及ぼす可能性があります。
  4. 感染症: 重篤な感染症(例: 細菌性感染症、ウイルス感染症)は、腎臓に損傷を引き起こす可能性があります。
  5. 免疫疾患: 自己免疫疾患(例: 膠原病、全身性エリテマトーデス)が腎臓に対する攻撃を引き起こすことがあります。
  6. 遺伝的要因: 遺伝的な要因により、一部の人々はCKDのリスクが高くなることがあります。特に家族歴がある場合、リスクが高まることがあります。
  7. 尿路疾患: 尿路結石や尿路閉塞、先天性の尿路異常などが腎臓に損傷を与える可能性があります。
  8. 腎臓結石: 頻繁な腎臓結石の発生は、腎臓にダメージを与える可能性があります。
  9. 腎臓血管の問題: 腎臓の血管に関連する問題、例えば腎動脈狭窄などがCKDの原因となることがあります。
  10. 先天性疾患: 生まれつきの腎臓の異常や疾患がCKDの原因となることがあります。

 

原因は複雑で、一つまたは複数の要因が同時に影響を与えることがよくあります。

早期診断とリスク要因の管理が、CKDの進行を遅らせるために重要です。

患者は医師の指導に従い、定期的な健康診断を受け、リスクを最小限に抑える努力をすることが大切です。

 

◆病気のステージと症状

【ステージ】

慢性腎臓病は、5つのステージに分けられます。

ステージ1(最軽度)からステージ5(最重度、末期腎臓病)までがあり、

患者の腎臓機能の低下度に応じて区分されます。

 

【症状】

初期の慢性腎臓病では、症状がほとんど現れないことが一般的です。

進行すると、疲労感、浮腫、高血圧、貧血、腎臓からの尿の異常、

吐き気、食欲不振、骨の問題などが現れることがあります。

 

 

◆慢性腎臓病の検査方法は

慢性腎臓病の診断には、いくつかの検査方法が使用されます。

これらの検査は腎臓の機能や健康を評価し、病状の進行度を確定するのに役立ちます。

主要な検査方法は以下の検査です。

【血液検査】

クレアチニン

クレアチニンは血液中の廃棄物の産物であり、腎臓のフィルタリング機能を

評価するのに使用されます。クレアチニンの濃度が高い場合、腎臓の機能が

低下している可能性があります。

・尿素窒素

血液中の尿素窒素も腎臓の機能を評価するための指標として使用されます。

 

・血液中の電解質

ナトリウム、カリウム、リン、カルシウムなどの電解質の濃度が

異常である場合、腎臓の機能に影響を与えている可能性があります。

 

【尿検査】

尿中のタンパク質:尿中に過剰なタンパク質が検出されることは、腎臓の機能障害を示す兆候です。

・尿中の赤血球:尿中の赤血球が異常に多い場合、腎臓病や尿路の問題を示すことがあります。

・尿中のクレアチニン:尿中のクレアチニンを測定することで、クレアチニンクリアランスを評価し、腎臓のフィルタリング機能を推定することができます。

・腎臓超音波: 腎臓超音波検査は、腎臓の大きさ、形状、腫瘍、結石、尿路の異常などを視覚的に評価するのに役立ちます。

・腎生検: 進行した場合や原因が不明な場合、腎生検が行われることがあります。この手順では、腎臓組織の一部を採取し、顕微鏡で詳細に評価します。腎生検は病院で入院しての検査が一般的です。

 

これらの検査は、慢性腎臓病の診断、進行度の評価、および適切な治療プランの

策定に役立ちます。慢性腎臓病は進行が緩やかなため、早期の診断が非常に重要です。

医師が検査結果を評価し、適切な治療や管理計画を提供します。

 

◆慢性腎臓病の治療法

患者の具体的な症状や腎臓の機能低下度合いに応じて異なります。

治療の目的は、症状の管理、疾患の進行を遅らせること、および合併症の予防です。

以下は、一般的な治療法とアプローチです

1. 基本的な治療

  •  高血圧管理: 高血圧はCKDの進行を加速させる可能性があるため、血圧の管理が重要です。降圧薬や食事制限などが使用されます。
  •  糖尿病管理: 糖尿病がCKDの原因である場合、血糖値の管理が重要です。インスリンや経口糖尿病薬などが使われます。
  •  薬物の調整: 特定の薬物(例: 腎臓に負担をかける非ステロイド性抗炎症薬、特定の抗生物質など)は腎臓に悪影響を及ぼすことがあるため、医師は必要に応じて薬物の調整を行います。

2. 腎臓保護薬

  • 腎臓保護薬として知られる薬物クラスがあり、腎臓の機能を保護するために使用されます。これにはACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)とARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)が含まれます。

3. タンパク尿の管理

  • タンパク尿がみられる場合、たんぱく尿を減少させるための治療が行われることがあります。

4. 腎糖尿病用食事療法

  • CKD患者に対する栄養療法は、たんぱく質、カリウム、リン、ナトリウム、水分の制限に焦点を当てます。

5. 腎臓移植

  • 最終的には透析が必要になる場合、腎臓移植が選択肢として検討されることがあります。これは腎臓の機能を代替する方法の一つです。

6. 透析

  • 末期腎臓病の場合、透析(腎臓を代替するための治療)が必要となります。透析はヘモディアリシスや腹膜透析などの方法があります。

慢性肝臓病の治療は、腎臓の機能低下の段階、原因、および個々の患者のニーズに合わせてカスタマイズされます。患者は医師の指導に従い、定期的にフォローアップを受けることが重要です。また、健康的な生活スタイル、食事、運動の維持も腎臓の健康をサポートするために大切です。

 

 

いわさ泌尿器科クリニック(さいたま・越谷・春日部)
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