2017/4/13

減塩すると夜間頻尿が改善:最新医療情報

塩分のとりすぎは、様々な健康被害につながります。

頻尿に関しても、塩分が影響を与えるということが学会報告されています。
以下は転用記事です。

塩分摂取量を減らすと、夜間にトイレに行く回数が減る可能性があることが、長崎大学泌尿器科・腎移植外科の松尾朋博氏らの研究で示唆された。

就寝中にトイレに行くために1回以上起きてしまう状態を夜間頻尿と呼ぶ。
60歳以上の人で特によくみられ、睡眠が中断されることで慢性的な睡眠不足となり、ストレスを感じたり怒りっぽくなったりするなど生活の質(QOL)にも影響する可能性がある。

原因は複数考えられるが、今回の研究で検討した食事から摂取する塩分量もその1つである。
本研究の被験者は、塩分摂取量が多く、睡眠障害のある日本人の成人男女321人。
被験者には塩分摂取を減らすよう指導し、12週間にわたり追跡調査を行った。

その結果、200人超の被験者では塩分摂取量が平均11g/日から8g/日に減少した。
それに伴い、一晩の排尿回数も平均2.3回から1.4回に減少した。日中の排尿回数も減少し、QOLの改善にもつながった。

一方、100人近い被験者では塩分摂取量が平均9.6g/日から11g/日へと増加しており、これらの被験者では一晩の排尿回数も平均2.3回から2.7回へと増加していた。

松尾氏は、「この研究は、塩分摂取量が夜間の排尿回数にどのくらい影響を及ぼすのかを検討した初めてのもの。夜間頻尿はとくに高齢の患者にとって切実な問題であるが、今回の結果は、食事の内容を修正するだけで多くの人がQOLを大きく改善できる可能性を示している」と話している。

研究は、英ロンドンで3月24~28日に開催された欧州泌尿器学会年次集会(EAU17)で3月26日に発表された。なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。
同学会の夜間頻尿に関するガイドラインの作業部会長である英ブリストル大学教授のMarcus Drake氏は、「この研究は、患者自身の取り組みによって夜間頻尿の悪影響を低減できる可能性を示した点で重要な知見である。従来の研究は水分摂取量の制限に着目したものが多く、塩分摂取量はあまり考慮されてこなかった」とコメントしている。

塩分を全くとらないという訳ではなく、減塩で効果があります。
一度食生活を見直すのも重要ですね。

北越谷の いわさ泌尿器科クリニック
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